砂漠のナボナ

来る前からここにいて、去った後もここにとどまる

荒んでいてもコミカル

誰だ!つらいことがあったときはたくさんおいしいものを食べて寝ようって言ったやつは!おかげでブクブク太っただけじゃねえか!

という名言がありまして、まあおれが考えたんだけど。

昨日の飲み会ではかなりのペースでビールを飲んでいたので、ヤケ酒だと思われたのか親切な同席者から「何か悩みでもあるの?」と聞かれました。それはもう悩んでいるので抱きしめてもらいながら涙ながらにいろいろと語りたかったのですが、楽しい場でリアルな悩みを話すのもあんまりよくないかと思いまして(吾妻ひでお失踪日記」の冒頭にもそういう記述がありますし)、「最近痔と下痢と肌荒れがひどいんですよ~」と言ったところ、会場全体が「やっぱやめとこう」みたいな空気になりました。うん、正直食事の場で出すのにふさわしいワードだとは思っていなかったよ。しかしストレスがたまっているのか実際にそれらの症状に悩んでいたので、真剣に受け止めてもらえなかったのはちょっと残念。

ところでこの中でも特に痔ってなんかすこしおかしさがある。いやあ私も痔なんですよウフフと話すとき、話者の気恥ずかしさと、それを乗り越えた者に対する私もですよ!という他の痔主の告白とが相まってなんだか場に連帯感が生まれるだろう。あれ、なんかちょっとおもしろい。

そして自分の過去を振り返ってみると、ストレスがたまっているときってなんだかおもしろいのだ。大学浪人時代、センター試験直前の12月にお腹にガスがたまるようになってしまった。妊娠かというレベルでお腹が張って、しかも1日中前かがみで座って勉強しているのでそれはもうつらかった。しかしそれで1日中げっぷとおならが出っぱなしだったのは今考えるとすこしおかしい。コミカルである。医者に行ってみると正確な原因は胃カメラ飲むまでわからないがたぶんストレスとかだろうと言われた。ストレスが体調にまで影響しているのは結構やばいと思うのだがコミカル。なんだろうこのおかしさは。

あとその直前の模試の結果が散々で大暴れしたくなった時も、家の自室でディジュリドゥ(アボリジニの民族楽器)を吹きまくった。簡単なものなら塩ビパイプで簡単に作れるのだが、これがたまたま自室にあったのだ。これがぶいぶいぶぃ~んって感じのボンヤリした音で、おれはこんなに悩んでいるのにどうしてこんなにぼんやりした暴れ方しかできないんだろう、なんだかおかしいなと思った。

いずれも事の最中に「これは後々話のネタになるんじゃないか」と思うぐらい、自分の中での状況の深刻さと事実のおもしろさとのギャップがすごい。どんなに心が荒んでいても傍から見ればコミカルというのは、3枚目の神に愛されている気がしてちょっとうれしい。2枚目にはなれなくても、いつかこういう出来事をおもしろおかしく人に話せるなれたらいいなあと。