砂漠のナボナ

来る前からここにいて、去った後もここにとどまる

期待していたものに裏切られたと気づくのが、創作の中でも耐えられない

「劇中の人物が恥をかくのが耐えられない」という症状はネット界隈ではすっかり有名になりましたが(ぼくはそれには該当しない)、ぼくの場合はタイトルの通り、その人物が期待していたものが得られなかったとき、実は存在しなかったとき、反故にされたとき、あるいは登場人物全員が良かれと思って動いていたのに残念な結果になるシーンを見るのが耐えられないのだ。

一番印象的なのは、CSでたまたま見ていたアニメ「タイガーマスク2世」のとあるエピソード。実在のレスラーが登場する中で、アブドーラ・ザ・ブッチャーが出てくる回だったんだけど、それがトラウマなのだ。記者とのやり取りの中で「今の奥さんとっても美人ネ」と陽気に語るブッチャーだが、過去に妻と子供に逃げられているらしい(このあたり現実のブッチャーがそうだったのかは不明)。その逃げられた時の回想シーンが、家族への土産をたくさん抱えて笑顔で帰ってきたブッチャーが置手紙を発見して泣くというもので、帰ってくるときのブッチャーがあまりにも楽しそうでその後の落差がすごいのだ。だいぶ前、たまたまつけたテレビで見たので詳細はあまり覚えていないが、これがとにかくトラウマで、いまだに思い出しては落ち込んでしまう。

あと、前におそらく日テレ系でやってたスペシャルドラマで、母親役の観月ありさが子供たちを連れて駅弁祭りに行くんだけど、夕方でもう品切れで買えないというシーン。「だってチラシに書いてあるじゃないですか!」と訴えるもむなしく、目の前で駅弁祭りの撤収作業が進められていくのだ。これも、主人公たちは事前にものすごく楽しみにしていたのに、それが叶わなかった。早く行かなかったのが悪いのは間違いないんだが、間違いないんだが間違いないんだが間違いないんだが、このままでいいのか。エクスペンダブルズ2のスタローンばりの悔しさをにじませつつ思ってしまうのだ。

あとあれ、これは創作じゃないんだけど、中学時代の担任だったS先生、学生時代に女性を連れて県内唯一の遊園地に行ったんだけど、トイレに行っている間に車のワイパーに「先に帰ります」というメモが挟んであったらしい。うわーきっつー。昔の話だから先生は笑いながら話してくれたけど、当時の心境を思うと大変につらい。聞いているぼくらも当時は愛とか恋とかそんなことはわからなくて、さながらドジな高木ブーを見て笑うような感覚で聞いていたんだけど、今になって身につまされる話になってしまった。うわー。あー。

冒頭の、恥をかくシーンへの反応には確か名前があるのだっけか、だったらこっちにも名前を付けて、心から引きはがして対処できるようになるといいのに、と思う毎日です。うう。各位、やっていきましょう。

上記ツイートと本文の内容は一切関係ありません。

現場からは以上です。