砂漠のナボナ

来る前からここにいて、去った後もここにとどまる

「地獄に落ちろ」ってなんかかわいい

クドカン脚本の「未来講師めぐる」というドラマがあった。主演深田京子、そのほか武田真治星野源正名僕蔵勝地涼地井武男が出てくる大変愉快でくだらないドラマだったのだが、黒川智花演じる田舎出身の塾講師が「地獄に落ちろ!」と訛りながら叫ぶのである。なんかそれがとても好きなのだ。ちなみに彼女の役柄は高校生時代に正名僕蔵の不倫相手だったという設定である。

「死ね」とか言うとちょっと直接的すぎる。「くたばれ」は森見登美彦の小説のどれかで多用されていたように思うが、どこか抜けた感じのある語感なのでどこかおちゃらけた雰囲気が漂う。その点「地獄に落ちろ」はどこかやさしい。要するに死後の世界で苦しめと言っているわけだが、いわゆる地獄絵図で描かれる地獄の餓鬼たちは鳥獣戯画のようにどこか牧歌的であるし、「血の池地獄」とか言われてもなんか現実感はない。口に出したときの響きもよろしい。じゃあ言ってみよう。リピートアフターミー。

「死ね」 「「「死ね」」」

「くたばれ」 「「「くたばれ」」」

「地獄に落ちろ!」 「「「地獄に落ちろ!」」」

圧倒的キャッチ―さではないだろうか。「死ね」なんて野蛮すぎてもう聞くに堪えない。これからは嫌な人が現れたら、人格否定や「死ね」という前に「地獄に落ちろ」と言ってみよう。そのおかしさに悩みも吹き飛ぶはずである。

さっき地獄絵図を改めて検索してみたら結構グロくてあんまり牧歌的じゃないですね。まあいいや。