砂漠のナボナ

来る前からここにいて、去った後もここにとどまる

引き算の発想

チキンピカタが好きである。そぎ切りにした鶏胸肉に塩胡椒してから片栗粉をまぶし、粉チーズをまぜた溶き卵にくぐらせてオリーブオイルで焼くのだ。多めにケチャップをかけると大変に滋味深い。さらに冷めてもうまい。いっぱい作って夕食と次の朝食と昼の弁当にすると大変にはかどる。

 

ところがこれ、最近なんだかおいしく作れなかったのだ。久々に作ったらおいしかったのでどうしてだろうと思ったら、使う材料を少なくしたのであった。肉が軟らかくなると思って砂糖だの酒だの色々と足していたのだが、これが手間の割に効果が薄く、それどころか味のコントロールができなくなっていたようである。

 

そうしてタイトルの引き算の発想という言葉に至ったのだが、これってなんだか感じ悪い言葉ですよね。ファッションにおける”外し”的な、一方的におれは悟りを開いたぞってアピるしているような気がして。

 

女子プロレス団体・スターダム所属の木村花選手が亡くなられた。今年1月の新日本プロレス東京ドーム大会でスターダム提供試合が組まれ、生で観戦していたのだが、彼女は当時からテラスハウス出演で知名度が高く、スターダムになじみの無かったファンからも歓声が大きかった。最後は岩谷麻優選手に敗れたが、その堂々たる試合っぷりは印象に残っている。東京ドームは会場の大きさゆえ歓声が選手に届くのが他の会場に比べて遅くなる。そのうえ観客は自分たちのことを知らないのである。門外漢にもスターになる大いなる可能性を感じさせるすばらしいレスラーだった。様々な憶測を呼んでおりすでに大きな話題になっているが、いちプロレスファンとしてはなによりも、未来のスター候補が22歳の若さでこの世を去ったことが残念でならない。