砂漠のナボナ

来る前からここにいて、去った後もここにとどまる

指とバナナとウインナー

小学生だったころのある日、集団登校中に上級生の友人と昨日のテレビについて話していた。僕は見逃していた番組だったのだが、確か実録系の番組だったはずだ。道ばたに切断された指が見つかり、あたりは騒然となったものの、解剖してみると骨が無く、実はそれがバナナだった、という内容だったと思う。友人が番組内での再現VTRをまねて「あれえ、この指、骨が無い!」と言っていたのを鮮明に覚えている。これを聞いて僕は「そんなことあるかいな」などと思っていたのだが、しばらくたったある日、家で母が「指が落ちてる」と言い出したのだ。見てみると確かに何かすごく指っぽいものが落ちてる。気味悪がりつつ近寄って見るとそれがウインナーの端っこだったのだ。そういえばさっきまで兄が朝食にウインナーを食べていた気がする。それが落ちたんだろうか。でもパンくずとかじゃあるまいし、食べこぼしにしてはやや大胆すぎやしないか。当時兄は小学生だったが、さすがにそこまで派手な食べこぼしをするだろうか。そして母もなんですぐ片付けなかったんだろう。そう考えると大変にぼんやりした出来事で、なんでこんなことをいつまでも覚えているのかよくわからない。が、折に触れて思い出すので書いた。現場からは以上です。